
端午の節句は、5月5日に男の子の健やかな成長を祝い、祈る風習です。
古来、中国では、この日に菖蒲や蓬を軒につるしたり、菖蒲酒をのんだりして、邪気を払う風習がありました。
日本では、菖蒲の字音が尚武、勝負と同じであることから、江戸時代以降、男子の節句とされ、武家で甲冑(かっちゅう)、幟(のぼり)を飾ったのにならい、町人も武者人形などを飾り、鯉幟を立てるようになりました。この日は、粽(ちまき)や柏餅をいただいたり、菖蒲湯を立てたりします。今日では、武者人形の前には、花菖蒲が破邪、尚武の象徴として飾られています。
菖蒲の根茎はアサロン、カラメン、オイゲノールなどの芳香成分からなる精油約3パーセントを含み、薬味薬性、辛温の気剤です。
菖蒲は、紫蘇、生姜などと同じ芳香性健胃整腸剤で、体表の皮膚と呼吸器や大腸から、病邪を発散させる薬能を持っています。
また、開竅薬(かいきょうやく)である香り高い菖蒲を用いることをよって、気の流れをよくし、脳の働きを正常に保ち、脳梗塞、心筋梗塞などの予防になると言われています。
竅とは、穴のことで、人間には口、鼻、眼など九個の穴があるといわれています。これらが、閉塞すると、息苦しい、めまい、循環機能低下、手を握り締めるなどの症状が現れます。これを改善するのが、芳香開竅薬(ほうこうかいきょうやく)の役目です。
芳香開竅薬(ほうこうかいきょうやく)には、麝香(じゃこう)や牛黄(ごおう)という生薬もあり、これらが入ったものに、感應丸(かんのうがん)という丸薬があります。気付け、息切れ、動悸などに、効果があり、黄門様の常備薬だったともいわれています。
只今、高田屋伊東薬局の店頭にて、武者人形を飾っております。どうぞ、ご覧下さいませ。武者人形の脇に飾ってあるのは、石菖蒲(せきしょうぶ)です。
また、感應丸(かんのうがん)のお求め、お問い合わせも、高田屋伊東薬局http://takadayaitou.comまで。
参考:飯倉晴武著「日本人のしきたり」、渡邉武著「古稀記念渡邉武著作集」、大辞林(三省堂)、カネボウ薬品資料