隣町の道の駅の野菜売り場で、ヤマノイモのむかごを見つけました。

「むかご」とは、「腋芽(えきが)が養分を蓄えて球状となったもの。多くは葉の付け根にでき、落下して地上で発芽し無性的に新しい個体となる。葉が多肉化して茎をとりまいているものを珠芽(鱗芽)、茎が肥大して球状になったものを肉芽という。ヤマノイモ・ムカゴイラクサなどに生じる。胎芽。ぬかご。」と、辞書に記してありました。(大辞林より)

零余子(むかご) 温(うん) 甘く 毒なし 腎薬ぞ 腰膝をよく強くするなり

むかご ただ 虚を補ひしものぞかし 山の芋より なを薬なり

(「寛政七年刊・和歌食物本草・現代語訳〜江戸時代に学ぶ食養生」(源草社・半田喜久美著」より)

ヤマノイモも、滋養強壮によいとされていて、山薬(さんやく)という生薬として、腎の薬である六味丸や八味地黄丸にも配合されています。「和歌食物本草」によると、そのヤマノイモよりも精がつくということです。


           hana 
むかごを自然海塩・ゴールド海の精で、塩ゆでして頂きました。
体力が落ちた時は、そのような食物を摂るだけでなく、充分な休息も必要です。
また、高田屋伊東薬局も、お役に立てるかと思います。一度、ご相談下さいませ。

2008.10.05 Sun l 食養 l top ▲

行(ゆく)あきや 手をひろげたる 栗のいが  芭蕉

栗の渋皮煮を頂きました。手間のかかるものを下さいまして、この場を借りて、改めてお礼を申し上げます。
ありがとうございました。

栗の実は、本草には、
「味は鹹(かん)、性は温で、無毒なり。
気を益し、腸胃を厚くし、腎気を補すを主り、人をして飢を忍ばしむ」と書かれています。

陶弘景の注には、
「ある人が脚の弱る病気になった時、栗の木の下に行って、数升の栗を食べたところ、すぐに立ち上がって、歩けるようになった。これは栗の実が腎の働きを助けるからである」と記されています。

栗は甘の食べ物と思っていました。
これから、寒い冬になると、腎の機能が弱ってきます。腎の働きを助ける栗を意識して頂くよう、心掛けます。

参考:「医心方」巻三十・食養篇(丹波康頼・撰、槇佐知子・全訳精解)
2008.10.03 Fri l 食養 l top ▲
東海北陸自動車道が、7月5日、全線開通しました。
休日を利用して、氷見(富山県)まで、海を見に連れて行ってもらいました。
荘川から白川まで、国道を通っていた時よりも、かなり、早く着きます。
海鮮館で、「きときと」の魚を頂いて帰ってきました。
とっても楽しかったのに、ドライブから帰ると、身体、特に下半身が冷え切っていました。
原因は冷たい飲み物の取り過ぎ、車のエアコンによる冷えです。
早速の対応策は、おなかを温める漢方薬、
半身浴、
生姜の甘酢漬けです。

「食物本草」より生姜について
生姜、味辛甘、気微温。
皮を去れば、則ち熱なり。
傷寒、頭痛、鼻塞、欬逆、上気を主り、肺に入り、胃を開き、脾を益し、風寒、痰嗽(痰湿が胃にあり、これが上がって肺を犯すためにおこる咳)を散じ、嘔吐を止むるの聖薬(神薬、霊験ある薬)なり。
神明に通じ(心の働きを高め)、穢悪(穢れや邪気)を去る。
病なきの人は夜間に食ふことなかれ。
蓋し夜は気は静なるを宜とす。
姜は能く気を動ずる故なり。
乾姜、味辛く温にして熱なり。
無毒。
胸膈、欬逆を主り、腹痛、霍乱(吐いたり下したりする症状)、脹満(ガスが溜まっていること)を止め、中を温む。


生姜は、大腸の働きを助け、大腸の窓である鼻、呼吸器の働きも助けます。また、腸に作用すると同時に胃の働きも助けます。
生のひね生姜である生姜より、薫製という工程を経て水分の抜けた乾姜は、さらに辛味や温める作用も強く、生姜の性が温であるのに対して、乾姜は熱です。私がのんだ漢方薬には、乾姜が入っていました。
生姜、乾姜は、温める作用があるので、おなかが冷えた方にはよく合うのですが、熱を持った人にはさらに温めることで加熱してしまうので、注意が必要です。
おかげさまで、体調はすぐに回復しました。
これからの時期、暑いからといって冷たい物の取り過ぎや冷房で、逆に身体が冷えてしまう方々が多くなることでしょう。そんな時は、どうぞ、お気軽にご相談下さいませ。
参考::李杲撰、中村璋八、佐藤達全著「食物本草」、渡邊武著「平成薬証論」

2008.07.09 Wed l 食養 l top ▲
うめげんまいす

ヒロ野草研究所長である標ヒロ先生が先日の講演会で「食べる野草・玉葱」についてお話しされました。(資料がご入り用な方は高田屋伊東薬局まで。)
そこで、私も、梅玄米酢を使って、新玉葱の甘酢漬けを作ってみました。これも簡単です。
今、市場で出回っている新玉葱をスライスして、好みの加減の量の自然塩(今回使用したのは海の精)をまぶし、しばらく置きます。
清潔な手で先程の玉葱をよくしぼり、出た水を捨てて、ひたひたの量の梅玄米酢を加えます。
味がなじめば、すぐ食べられますが、容器を熱湯消毒しておけば、数日間の作り置きも可能です。

玉葱は、ビタミンB1、B2、Cを多く含む野菜ですが、ビタミンCは、含有成分のクエルセチンと一緒に、血管をしなやかに、丈夫にし、脳血栓や心筋梗塞、高血圧などの予防、改善に役立つそうです。
また、強力な発汗、利尿作用や、血糖値を下げたり、気分を落ち着かせたりする作用もあるとのことです。
イギリスでは、「一日一個の玉葱は医者を遠ざける」ということわざがあります。
玉葱には硫化アリルというイオウ化合物が含まれており、血行をよくして、ビタミン類の吸収と利用効率を挙げて、体力、気力を高めてくれるからです。
体力の消耗の激しい、これからの夏の季節に必要な食材であると思われます。
参考:石原結實著「医者いらずの食べ物事典」
2008.07.01 Tue l 食養 l top ▲
らっきょう漬け


隣町の道の駅の野菜売り場で、洗いらっきょうを買い、早速、甘酢漬けにしてみました。

作り方は簡単です。
らっきょうを自然塩(今回、使用したのは海の精)で、好みの加減にして漬け、一晩置いて、出た水を捨てます。
そのらっきょうを熱湯消毒したガラス瓶に入れ、ひたひたの量の梅玄米酢を加えます。
梅玄米酢には蜂蜜が加わっていますが、胃腸の弱い方は蜂蜜を加えてみてもよいかと思います。

二週間ほど前に漬けたものが、店頭に置いてありますので、よろしかったら、味見して下さいませ。

らっきょうについて、医心方より
本草に云う。
味は辛にして苦。
性は温なり。
無毒。
金創(金属でけがした傷)、創敗(傷が化膿したもの)を主る。
身を軽くし、飢えず、老いに耐え、寒熱(悪寒発熱)を除き、温中し、病人を利すと。
拾遺に云う。
中(脾胃)を調え、久痢(長引いた下痢)癒えず、大腹(大腸)の内、常に悪しきを主る。
但、煮て多く之を食せと。
蘇敬の云う。
薤(かい・らっきょうのこと)に赤、白の二種有り。
白き者は補す。
而て美(美味)なり。
赤は金瘡(金属による傷)を主ると。
崔禹の云う。
食せば毛髪を長ずと。
孟詵の云う。
長く之を服せば神霊に通じ(神通力を得たようになり)、甚だ魂魄を安じ(精神がとても安定して明快になり)、筋力を続くべしと。

日本では、保健のための伝統食として、梅干しに次いで、大切な家庭常備食品とされています。
らっきょうは、人の上焦(胸部)を護り、過食過飲による泌尿器・胃・気管などのつかえや、肝胆の働きを助けるために有効だからです。
また、らっきょうは、辛味の食材で、皮膚や呼吸器、大腸の働きを助けます。
塩と酢と蜂蜜を加味するのは、らっきょう独特の臭味と刺激性を緩和して、抵抗なく、美味しく食べられ、肝・腎と脾胃の機能を助ける古人の知恵なのです。
らっきょうの甘酢漬けには、らっきょうが辛、塩漬けで鹹(苦汁の入った塩なら苦も)、酢は酸、蜂蜜は甘と、美味しく食べるために、五味が上手に配合されています。

参考:「医心方」巻三十・食養篇(丹波康頼・撰、槇佐知子・全訳精解) 、仁医「麻鳥」の漢方問答(日中医薬研究会出版委員会)
2008.06.27 Fri l 食養 l top ▲